現代の日本では、共働き家庭の割合が大幅に増加しています。厚生労働省の調査によると、夫婦ともに働いている世帯の割合は全体の約7割に達しており、この数字は年々上昇傾向にあります。1980年代までは、夫が働き妻が専業主婦という「男性稼ぎ手モデル」が一般的でした。しかし、1990年代以降、共働き世帯数が専業主婦世帯数を上回るようになり、現在では共働きが主流となっています。この背景には、女性の社会進出が進んだことや、経済状況の変化により世帯収入を増やす必要性が高まったことがあります。年代別に見ると、20代から40代の子育て世代では共働き率がより高くなっています。特に30代では8割以上の夫婦が共働きをしているというデータもあります。これは、住宅ローンや子育て費用など、生活費が最も必要な時期であることが影響しています。共働きが増加した要因として、女性の高学歴化と就労意識の変化が挙げられます。大学進学率の向上により、専門的なスキルを身につけた女性が増え、結婚や出産後も仕事を続けたいと考える人が多くなりました。また、育児休業制度や時短勤務制度の充実により、子育てと仕事の両立がしやすくなったことも大きな要因です。一方で、共働き家庭には課題もあります。家事や育児の分担、保育園の待機児童問題、介護との両立など、様々な問題に直面することがあります。そのため、政府や企業では働き方改革を推進し、テレワークの普及や柔軟な勤務制度の導入が進められています。共働き家庭の増加は、社会全体の働き方や価値観の変化を表しています。今後もこの傾向は続くと予想され、より働きやすい環境づくりが重要な課題となるでしょう。